日曜はじまり日記|9月20日〜9月26日

9月20日 晴れ

休日。チビたちが昼寝したあと、近すぎて行ったことがなかった近所の喫茶店にひとりで行った。ウインナーコーヒーを頼んだら店員さんが「ごめんなさい、もうクリーム溶け始めちゃってて〜」と笑いながら運んできたので、見るとたっぷり乗った生クリームがカップの縁から溢れてて、ソーサーがなかったらテーブルがクリームまみれじゃん、という状況で笑ってしまった。謝らないで笑ってくれて良かったなと思った。
『おやときどきこども』読み終える。泣きたい気持ちになった。読み終えた勢いで読者カードを書いた。
夜、帰省中の姉とむかしの漫画の話で盛り上がり、久々に水沢めぐみの『おしゃべりな時間割』を開いた。たった2巻で完結する話を、小学生のわたしは穴が開くくらい繰り返し読んだ。隣に座っている時田くんと肘同士が少しだけ触れ合うシーン、息が止まるくらいドキドキしたなぁ〜。なつかしき思い出。


9月21日 晴れ

このあいだ古本屋で買った『ある小さなスズメの記録』という梨木香歩さん訳の海外文学を昼休みに読み始めた。ジャケ買いだったので予備知識ゼロで、小説かなと思ってたらノンフィクションだった。
昨日から少女漫画熱が尾を引いているので、帰宅後は『星の瞳のシルエット』を一気読み。いま読むと配慮が足りない描写が多々あることに気づくけど、一切の悪意がなくて、そうだよねぇ…と思う。ここ20年であらゆる認識はかなりアップデートされている。でももし自分がいま70歳だったら、50歳のころまで悪意なく語られてきたことが今や害であるということにちゃんと気付けるんだろうか…とか思ったら、世のおじさんたちのことを責められないような気がしてくる。
と、そんなことを考え始めてしまうほど、無邪気な描写が頭にこびりついている。


9月22日(火)

仕事帰り、屋根裏ハイツの演劇「とおくはちかい」を見に行った。被災した友人とのぎこちないやりとり、(あそこまでの気まずさではないものの)わたしにも身に覚えがある。震災にまつわる膨大な物語の中で、この部分にフォーカスした表現を見たのは初めてで新鮮だった。舞台を見ながら、友人が何気ない会話の中で「ほら、どんぶらこで流れちゃったからさ〜」と軽い感じで言ったときのことを思い出した。どんぶらこという言葉で引かれた線について、その気遣いと寂しさのことを時々考えてしまう。


9月23日(水)くもり時々雨

仕事帰り、「アーティストと障害のある人がつくる”広場”の人形劇」というイベントに参加した。工藤夏海さんと正木さんのお話、とてもよかった。人形劇いいなぁ。やさしくて奥深い世界。言いにくいことも人形の力を借りれば言えたりする、という話が印象的だった。


9月24日(木)

最近なんか言葉がパッと出てこないし集中力もなくなってきた気がするなぁ、やろうとしてたこともすぐ忘れるし、と思っていたところ、ふと、スマホか!と思い至る。ちょっと意識してみると、エレベーターに乗っているときとか信号待ちをしているときに、無意識にスマホをポケットから出してロック解除していることに気がついて、うわぁ…!となったので、ひとまずあらゆる通知をオフにして(通知を消すためにアプリを開いたりしてしまう)、ツイッターとかフェイスブックとかのアプリをトップじゃないページの階層の深いところに移動してみた。何となく今のところ見る回数が減っている気がする。もはやスマホに脳の何割かを持っていかれている感覚すらあるので、付き合い方をちょっと見直したい。


9月25日(金)雨

朝、たいちゃんが「うーちゅーぶがみたい」と言い出したので、咄嗟に「ゆりちゅーぶがはじまるよ!」と言い、わくわくさん気分でビヨンビヨンおばけ(紙を細長く切って交互に折り畳んでいったらバネみたいになるやつ)を作ったら喜んでいた。それから葉っぱにたまった雨粒を落としたりして遊んだ。あと、うんちのとき「みないでー」と言うようになった。
夕方ガソリンスタンドに行ったら、ティッシュボックスを10箱もらい、なんか正月みたいでめでたい気持ち。家の玄関にドンと置くと、ともちゃんとたいちゃんが興味津々で駆け寄ってきたので、ティッシュの山を見て「すごいねー」と言い合う。平和です。


9月26日(土)くもり時々雨

姉とふたりで石巻へ。工事の大きな音がくもり空に響く。日和山から海を見たあと、復興祈念公園になる一帯を歩いた。現在進行形で新しい道路や建物ができているので、グーグルマップの川の上をスーッと走ったりした。
今回は、石巻まちの本棚の「ブックカバーを発想する」というワークショップに参加するために来た。ゲストはnakabanさんと南陀楼さん。わたしは昨日萬葉堂で買った『無花果家族』という歌集を持参した。何となく手に取っただけの知らない歌集だけど、たまたま開いたページにあった歌にぐっと来たので買った。
nakabanさん、初めてお会いしたけどすっかりファンになりました。南陀楼さんにも1年ぶりに会えたし、ワークショップも新たな創作意欲が刺激される体験で、遠いけど行ってよかった。
帰り道、初めて夜の高速を運転した。ほんの些細なことだけど、自分にもできるんだということがちょっとずつうれしい。

憎みつつ羨しきかなふるさとに紫蘇揉みて母の指かぐわしき