中田日記|10月4日〜10月10日

10月4日

新潟へ。

新潟港で麻子さんと合流して、沼垂へ。ヒガナさんで焼き菓子を買い、しばらく歩き回ったあと、「洋食が食べたい!」(佐渡で食べられないので…)ということで、リストランテSasakiへ。耕さんはパスタ、わたしと麻子さんはハンバーグランチ。テーブル席で、真ん中に透明の仕切りが設置されていた。仕切り越しに麻子さんと顔を合わせるのは不思議な感じがした。食事の後、麻子さんの車で砂丘館へ。田代一倫写真展を見る。普段あまり来ることのないエリアだけれど、静かで、街並みも綺麗。ふらりと歩いていると小さな焼菓子屋さんがあり、麻子さんがおすすめしてくれたので入る。ドライフルーツでデコレーションされたクッキーや、ハロウィンのボックスに入った焼菓子セットが可愛い。わたしたちが自分たち用のケーキを選んでいる間に、麻子さんが、たくさん焼き菓子を買ってプレゼントしてくれた。麻子さんは、わたしたちが新潟に来るたびに、色んな場所に連れて行ってくれる。新潟の地図が少しずつ、豊かに、広がってゆく。車で宿まで送ってもらう。

宿で少し休憩して、Books f3へ。宮脇さんとアサノさんのトークを聞くのが、今日のメインイベント。到着して、二人の顔を見た瞬間、嬉しい気持ちでいっぱいになった。久しぶりで少し照れた。イベント開始まで店内を見ていると、聞き覚えのある声が。なんと、籏野さん!田代一倫さんの写真のキャプションで「阿賀に生きる」のことに触れていて、籏野さんのことを考えていたところだったので、ご本人が現れて驚いた。本当は今年のお花見に伺う予定だったのだけど、コロナの影響で中止になってしまったのだ。お会いできて本当に嬉しい。久しぶりのイベント参加、配信は便利だけれど、空間を共有できる喜びにはかなわない、と改めて感じた。光の加減とか、真剣に耳を傾けたり、和やかに笑い合ったりする空気の変化が、刻み込まれるように残っている。

トーク中、「不便な場所ほど人間の生が輝く」と宮脇さんが話していた。まさに不便な場所に暮らしている身となった今、そうは言っても本当に大変なんだ、という気持ちも湧き上がったけれど、自分がこの数ヶ月間見てきた、美しい畑や暮らしの造形、バスで聞いたおばあさんの会話などを思い出し、今ここにいなければ失ってしまうものがたくさんあることを突きつけられたようだった。

イベント終了後、ゆりさんから電話がかかってきたので、テレビ通話に切り替えて、みんなで話した。短い時間だったけれど、すごく楽しかったな。香川で知り合った人たちは特別な存在だ。高揚した気分のまま、小倉さん、アサノさん、宮脇さん、耕さんと歩いて居酒屋へ。宮脇さんは、かきのもとにハマったらしい。最近お酒をやめたというアサノさんが、その代わりに栄養ドリンクをめちゃくちゃ飲んでいるという話、最高だった。「昔からポカリスエットとかオロナミンCとか大好きなんだよね。電解質を補給していると思うと興奮する」

いい夜だった。アサノさんからいただいた『読むことの風』が心地よくて、宿に帰って眠りに落ちるまで読んでいた。

10月5日

12時に北書店で待ち合わせ。sugar coatの前を通ったら店主の大野さんが作業をしていたので立ち寄ってご挨拶。ゆるく整えた髪がよく似合っていて、歌うように歩く大野さんの後ろ姿を眩しく眺めた。再来週、耕さんがここで出店をする。わたしは一緒に行けそうにないけれど、楽しいイベントになるといいな。一足先に北書店に到着し、少しして、小倉さん、アサノさん、宮脇さんがやってくる。アサノさんは、何度も立ち止まりながら、ゆっくり、じっくり棚を見てゆく。宮脇さんは、北書店の佐藤さんの着ていた「仁義なき戦い」のTシャツ(今年の制服らしい)に大喜びしていて、勢いよく本を買っていた。北書店の棚を見ていると生きていることを肯定されるような気持ちになる。大好きな場所を、アサノさんも宮脇さんも気に入ったようで嬉しかった。北書店を後にして、みんなでお昼ごはん。その後わたしと耕さんは買い物をして、新潟港で宮脇さんと待ち合わせ。一緒に佐渡に向かう。佐渡に着いて、長三郎で寿司とラーメンを食べ、温泉に寄って我が家へ。客人が珍しいので猫が興奮して走り回っていた。

10月6日

わたしは朝から仕事なので、宮脇さんとはお別れ。家の前で、耕さんと一緒に写真を撮ってもらった。耕さんは宮脇さんとドライブに出かけた。いいなぁ、ちょっと羨ましい。仕事終わり、一人でトボトボ歩いて帰った。途中、橋の下に座って、川を眺めながらお昼ごはんのパンを食べる。バイト先まで歩くようになったおかげで、ここの川べりでぼーっとする楽しみを知った。綺麗な水。魚が跳ねているのを見つけて嬉しくなった。歩いていると、子供の頃におままごとに使っていた草や、これまで見たことのなかった花が咲いていて、その知らない花たちの、名前を知りたくなる。花や鳥や虫の名前を知りたくなる気持ちはどこから来るんだろう。家に着いたらぐっと疲れて、布団に潜り込む。猫が布団に入ってきて、くっついて眠った。帰って来た耕さんが、餃子とお味噌汁を作ってくれた。

10月7日

朝、原付での移動が寒くなってきた。水曜日は一週間で一番お客さんが入る日(特売日というやつ)なので、4人全員出勤していて、ひっそりウキウキした。ものすごくささやかな非日常。仕事終わりに、Kさんがスミイカの刺身を食べさせてくれた。Kさんオススメの酢味噌で食べたら、とってもおいしくて、何度も感動を伝えた。昨日から眠くて仕方がないので、今日も帰ってすぐに布団に入ってしまう。「待ってました!」とばかりに猫が潜り込んできたので、抱きしめて眠る。晩ごはんに、トマトときのこと鶏肉のスープを作った。耕さんがピーマンとアンチョビのパスタを作ってくれた。

10月8日

今日はちょっと調子がいいかも、と、思っていたけれど、職場で味見と称して秋刀魚を食べたら気持ちが悪くなってしまった。生理後で、少し身体のバランスを崩しているのかもしれない。晩ごはんは、土井善晴先生レシピの麻婆豆腐(生姜とニンニク以外に辛味を加えない)と、産直コーナーで安かったニラと卵の味噌汁。ニラが甘くておいしい。

10月9日

休み。

洗濯をしたり、掃除をしたりして過ごす。毎日頭痛がひどいので、猫アレルギーではないかと恐れていたのだけど、寝室をひたすらコロコロして埃を取ったら少し調子がよくなった。猫が寒そうなので、一緒に布団に入って、本を読む。かわいいな。晩ごはんに、スパイスカボチャスープを作る。カボチャの味が薄くて、なんとなく美味しいスパイススープになりました。耕さんがほうれん草のクリームパスタを作ってくれた。先週分の日記を書いて、天野さんに手紙を書いて眠る。手紙を書くと、豊かな気持ちになる。

10月10日

魚を卸してくれている漁師さんがタコをくれたので、タコ飯を作ってみる。作りながら、(今日は白米が食べたい…)と考えていたけれど、料理スキル的に途中変更ができないので、タコ飯ができあがった。ニラと豚肉の卵炒めも作ったけれど、白米が食べたすぎて、白米に合いそうな味付け。味の濃い食卓になった。耕さんの友達が原付に乗っているわたしとすれ違ったようで、「自転車より遅かった!」と言っていたらしい。いいのです。歩くより速ければ。