中田日記|11月22日〜11月28日

11月22日

朝、新潟のイベントにドーナツを送る手伝いをした。タガヤス堂の裏の蕎麦屋・ちょぼくりでドーナツを詰める作業をしていると、開店準備のためAさんがやってくる。邪魔にならないように作業を続け、お昼休憩に蕎麦を作ってもらう。初めて佐渡に訪れた数年前に一度食べたことがあって、野菜のおかずがとっても美味しかったことを覚えていた。この日は、自然薯を甘辛く煮たものやレンコンのカレーマリネが小さなお皿に盛られていて、やっぱり美味しかった。お蕎麦ももちろん。食後も作業を続けていると、常連さんらしき人が入ってきて、Aさんと3人で話をする。その人は昔船に乗る仕事をしていて、愛媛の方にも行ったことがあるそうだ。「北朝鮮にも行ったんだ」と言う。わたしが、Aさんに「お蕎麦についていたおかずがすごく美味しかった」と話すのを聞いて、常連さんは「かあちゃん(Aさんの奥さん)の味付けがいいんだ。タコ味噌も絶品だ」と言い、それを聞いたAさんも「そうだな、なかなかうまいな」と頷く。耕さんがドーナツを差し入れしてくれたときも、「揚げたては本当にうまい」「ああ、絶品だ」「でもおれはおばけ(切れ端みたいなカリカリのドーナツ)が一番好きだ」「最高だ」と話してくれた。こういう会話の中にいると嬉しくなってしまう。話しながら作業を続けていると、常連さんのお友達が釣ったばかりのでっかいヒラメを持ってきて、わたしとAさんにくれた。あんまり大きいので、職場のMさんにお願いして捌いてもらうことに。「夕方頃取りに来て」と言われ、そんなに時間がかかるものなのか、と思っていたら、とても美しい刺盛りを拵えてくれていた。我が家の分は、半分、魚好きの三五郎さんにおすそ分け。お礼に大根と手作りこんにゃくをもらう。Aさんの分をお家に持って行くと、柿をたくさんくださった。家に帰って食べた刺身は本当に本当に美味しくて、佐渡にいる間(どのくらいいるのかわからないけれど)に刺身を食べられるだけ食べるぞ、と誓った。

後日、Aさんも三五郎さんも最高に美味しかったと喜んでくれたと聞き、ほっとした。思いの外準備に時間がかかり、大げさなくらいに美しいものをお渡しすることになってしまったので、ちょっと気になっていたのだ。

11月23日

入院で一週間お休みしていたTさんが復帰。お元気そうでよかった。入院中に規則正しい食生活を送っていたらお腹が空いてしまったみたいで、いつも魚を焼いているグリルでおもむろに食パンを焼き始めて笑った。マヨネーズを絞って焼いた食パンを二枚ずつ分けてもらってKさんとTさんと3人で食べた。

家に帰って「アパートメント」の連載記事を書いた。必死だったので耕さんに晩ごはんの準備を頼んだらお好み焼きを作ってくれた。たっぷりキャベツ。

11月24日

今日も仕事終わりに「アパートメント」を書いた。休みだった耕さんがスパイスカレーを作ってくれた。焦りすぎてお風呂も入らずに寝た。

11月25日

久しぶりに原付に乗って出勤。水曜は全員出勤の日で、わたしはひたすらパック詰めをした(いつもそうなんだけど)帰ろうとしたらTさんがたくさん刺身を詰めて持たせてくれた!(昨日物欲しそうな顔でイナダの刺身を眺めていたら、「明日作ってやるから」と言われたのだ)帰ってアパートメントを更新、温泉に行って、昨日のカレーを食べた。もらった刺身にオリーブオイル、醤油、すだちを混ぜてカルパッチョみたいにして食べたら美味しかった。

11月26日

昨晩、頭が痛くて何度か目覚めた。朝起きると、耕さんも頭が痛いと言う。仕事中もささやかに風邪の症状を感じる怠さ。家に帰ると、今日は店を臨時休業にした耕さんが眠っていた。この日の晩は、タガヤス堂の近隣店舗が集まって小さな夜市があり、耕さんも出店予定だった。代わりにおじゃるずさんがドーナツ販売をしてくれるということで、ドーナツを持って行く。まだ明るい時間帯だったけれどすでにみなさん集まっていて、耕さんの心配をしてくれる。Mさんが採ってきたばかりのなめこをくれた。「今年食べたなめこは寿命を10年延ばす」と言うので「へぇ!すごいですね〜」と答えると、今度は「来年食べるなめこは寿命を10年縮める」と返ってきて笑った。再来年食べると10年寿命が延びるらしい。こういう根拠のない話は大好物です。Iさんとは、ポケモンの話をたくさんした。おじゃるずさんに手伝いを頼まれたけど、明日も仕事なので、風邪をこじらせないようにお断りした。家に帰って、かぶの治部煮、なめこの味噌汁を作って耕さんと食べた。羽茂のかぶ、羽茂のなめこ、羽茂のお味噌。

11月27日

仕事中、品出しをしていると、おじいさんから「アジはないか?」と声をかけられた。売り場には中アジがあったので案内すると「いや、大きいのは脂が多くて猫が食べん」と。猫にあげるんだ!と知って嬉しくなり「猫にあげるんですか!」と思わず会話を続けると、「ちょっと塩振って焼いてな」と教えてくれた。冷蔵庫に小アジがあったので無事にお渡しできた。「またアジがなかったら呼んでいいか?」と聞かれて、「もちろんです!」と元気に答えた。とてもいい出来事だった。

晩ごはんは、十日町の「山愛」で食べて美味しかったスタミナ丼を作ることに。羽茂の自然薯に出汁をたっぷり加えたものと、ニンニクと鶏ガラで炒めた豚ばら肉をごはんにのっけて食べた。昨日もらったなめこのお味噌汁も一緒に。これで元気になるはず!

11月28日

美味しそうな鯖が入ったので買って帰る。以前Tさんが作ってくれた味噌煮が美味しかったので作り方を教わり、家で実践。味付けに迷って醤油を入れてみたら、ちょっと濃かった。教わった通り、味噌と砂糖だけで煮ればよかった〜。晩ごはんは、鯖の味噌煮、とろろ、かぶの味噌汁。耕さんがとろろを食べたいと言ったから作ったのに、あんまり食べなかった。たくさん残ったので「明日も食べられるかな」と呟いたら「いや、明日は無理でしょ」と言われて、なんだか悲しかった。なんだろう。作った人は残りものの処理をするのも当然だと思われているようで気になったのかな。リクエストされて作るときは、それなりに頑張って作るし、喜ぶといいなぁ、と考えるので、気持ちを蔑ろにされたようで悲しかったのかな。うまく気持ちを処理できなかったので、ゆりさんに連絡をして話を聞いてもらった。こちらこそいつもありがとうございます。こういう、言語化できない感情を聞いてもらえるのって本当に救われる。

ゆきの
愛媛県出身・新潟県佐渡市在住。元書店員。現在はアルバイト(鮮魚コーナー)。