日曜はじまり日記|11月29日の週

11月29日(日)晴れ

仕事で上映会の運営。疲れたけどとても良いイベントになった。仕事のことはここには書けないので、考えたことや気付きはまた別の場所にまとめておきたいと思う。それにしてもコロナ禍でのイベント運営は本当に大変だな。あらゆる可能性に対応しようとすると、直感とか良心とか、普段頼りにしているものからどんどん離れていってしまう。人と近づかないで、喋らないでなんて、やっぱり言えないし言いたくない。仕事だからと割り切るのもむずかしいくらい、人と会って話をすることは命綱のように大事なことだと思う。今日お会いしたおじさんから「人生で大事なことはケセラセラ(なるようになる)だよ」と言われてちょっと和んだ。

良い疲れを携えて、仕事帰りにあゆみBOOKSに寄る。読みたかった『病と障害と、傍らにあった本』、店頭で気になった『医療の外れでー看護師のわたしが考えたマイノリティと差別のこと』、それからパラパラ見ていたら懐かしいお店がたくさん載っていたので『日本の小さな本屋さん』を買った。早速『医療の外れで』のページを開く。あゆみBOOKSに行った帰りはなぜか、買ったばかりの本を読みながら歩くのが習慣みたいになっている。駐車場に着くまでにだいたい最初の一章一節くらいを読み終えて、運転しながらその内容を逡巡したりする。
帰宅すると、なかっちゃんから荷物が届いていた。たいちゃんとともちゃんみたい!と買ってくれた木彫りの置き物、めちゃくちゃかわいい。明日ふたりに見せたらどんな反応するかな〜楽しみ。


11月30日(月)晴れ、満月

休日。良い天気。ともちゃんとたいちゃんは朝からインフルエンザの予防接種に行って、ふたりとも泣かなかったらしい。えらいねぇすごいねぇと褒めまくる。お昼は一緒にさつまいものクッキーをつくった。たいちゃんは初めての型抜き。焼きたてのクッキーを両手に持ってはしゃいでたら派手に転んで泣いて、顔真っ赤にしながらも両手にクッキーを持ったままだったから笑ってしまった。よっぽど気に入ったらしい。
お昼すぎ、コロナ以降美容院に行かなくなった母の髪を切った。

午後、橋本さんの『本を抱えて会いにいく』を買いに、曲線へ。坂口恭平さんの画集『Pastel』と伊藤亜紗さんの『手の倫理』も買った。店内で耳慣れた音楽が流れていると思ったら、Masayoshi FujitaさんのCDが置いてあった。フジタさんとは高松で知り合い、そのときにくださったCDが好きでよく聴いている。でも音楽に疎いわたしはフジタさんがどんな人なのかよく知らず、まず店で売っていることになぜかびっくりというか、感動してしまった。曲線の雰囲気に合っていてとても良い。

夕飯を食べたあと、『本を抱えて会いにいく』を一気に読んだ。橋本さんの文章はするすると体に入ってきて、心がほどける。そして最後のほうに『まどをあける』のこと、3年前に一緒に見た夕日のことが書かれているのを見つけ、なんだか夢みたいで胸がいっぱいになった。いつも一人で見に行っていた夕日を誰かと見たのはあの日が初めてで、それをこうやって言葉で残してもらえたから、わたしもこの先ずっと忘れずにいることができる。淡々と日々を過ごす中にこんなご褒美みたいなことがあるなんて想像していなかったから、不意打ちで涙が出た。

また橋本さんに会いたいな。


12月1日(火)くもり

橋本さんの本に出ていたクラムボンの「タイムライン」を聴きながら通勤。視界が少しずつ晴れるよう。なんか、生きてて良かったなあなんて思う。それはなんというか、その人にまた会えるということを考えるだけでうれしくなる人がいるということです。
目の前の日々が思うようにいかないと、これまで培ったものすらも疑わしく思えてきてしまうけど、過去は過去のまま閉じられているのではなくて、思いがけず今に続いていたりする。転々と場所を変えて生きてきたせいで、別れのたびにあらゆるつながりが断ち切れてしまったように感じていつも心細かったし、それはいまも変わらない。でも、切れたと思っていた糸がふとした時につながると、ぬかるんだ足元が固まるみたいに安心して、勇気が湧いてくる。


12月2日(水)晴れ

帰宅して22時。ただいまと家に入ると、母が開口一番ごめんなさいと謝ってきた。本当に申し訳なさそうにしているので何かと思ったら、わたしの茶碗を割ってしまったらしい。母は別に悪くないし、とにかく罪悪感を引きずってほしくないので「全っ然気にしないで」を連呼する。相手が落ち込んでいるのを見ると、焦ってつい多弁になってしまう。ふと、わたしは母に似ているのかもしれないと思った。謝り方も謝られ方も。


12月3日(木)晴れ

遅くまで仕事。お昼に春雨ヌードルを食べた。(それ以外の記憶がない)


12月4日(金)晴れ

休日出勤。今日中に入稿する原稿を、チームプレーで何とか終わらせて22時に退勤。疲れたけど、仕事が捗ったのですっきりとした気分。仕事では自分がいろいろ至らなくて嫌になるけど、至らない性格のおかげで人の至らなさも気にならないので、まあいいかと開き直っている。
帰宅してなぜかアニメの進撃の巨人シーズン3を見始めてしまい、2時過ぎに寝た。


12月5日(土)くもりのち雨

休日。前にともちゃんからもらった手紙がわたしの部屋にあるのを本人が見つけて「よんであげるね」と読み始めた。まだ文字が書けないので、しゅっしゅっといろんな方向に線が引いてある。「ゆうゆへ。ともちゃんがいじわるしてごめんなさい」「え、それいつの話?」「あかちゃんのときだよ」急に赤ちゃん時代のことを謝罪されて笑ってしまう。何のことだかわからないけど、子どもって何なんだろ、ほんと面白いな。

シャツのブランドAIR ROOM PRODUCTSのかもさんから、仙台で展示会があるというDMが届いていたので行ってきた。かもさんには岡山の展示会にたまたまお邪魔したという間柄(たぶん)で、それもずいぶん前のことなのだけど、この春『まどをあける』をつくった時、展示会で配るからと連絡をくださった。それがうれしかったこともあるし、こんな縁でもないとちゃんとしたシャツを買う機会もないだろうから、買うぞ!と意気込んで出かける。気さくな店員さんがいろいろ試着させてくれて、しっかりした生地のシャツを買った。高かったけど、「あんたの人生まだ長いんだから元取れる」と母が言うので、よっしゃ元取るぞと思う。

ゆり
宮城県で暮らしています。関東や四国での生活を経て帰郷しました。元書店員、いまは文化施設職員。