日曜はじまり日記|12月6日の週

12月6日(日)くもり

朝出勤しようとすると、フロントガラスが凍っていた。ついにこの季節がきたか。ガリガリ削って出発。家の近くのカーブミラーも真っ白で何も見えず。道路が凍るのも時間の問題かな。日曜の朝の街中は静かで、とんびがぴ〜ひゅるる〜と気持ちよさそうに鳴いていた。自由に飛んでいるところを想像すると、空が広くなったように感じる。

帰宅してこたつでご飯を食べていると、テーブルとわたしの隙間に無理やり入り込んで膝の上にちょこんと座るたいちゃん。ねこみたい。何でこんなに可愛いの…。


12月7日(月)くもりときどき雨

昼から仕事。夜、こたつを消し忘れてしまって反省。


12月8日(火)くもり

遅くまで仕事。帰宅して、録画していた100分で名著を見る。ディスタンクシオン、今度3連休とかがあったら気合い入れて読もうかな。


12月9日(水)晴れ

寝坊。起きたら7時15分、家を出る時間だった。アラームにまったく気づかず。昔から身支度だけは早いので、10分足らずで家を出る。冬の朝、名取川をわたるほんの5秒の景色がきれい。

仕事でインタビューの撮影。人の話を聞くのがうれしい。ほんとうはもっと長く、一人ひとりにじっくり話を聞いてみたい。何となく余韻が残り、反芻しながらぼんやり歩きたくなって、職場を出てから夜の街をふらふら歩いた。

いつだって人の経験や実感からくることばを聞きたくて、でもしばらくそれがうまくできずにいる。内面に触れるようなことばを、かつては本屋でカウンター越しにたくさん聞かせてもらったけど、今のわたしは内面に触れるどころか、ふつうの会話すらうまくできていない気がする。何でだろう、根無草みたいに生きてきたツケが一気に押し寄せてきたような気持ちになってくる。

夜、布団の中で昔のボイスメモを聞いてみた。4年くらい前に高松を離れるすこし前、名残惜しくて仕事中の音を録音していた日があった。この日常を忘れたくない、残しておきたいと思って録ったんだろうけど、今日まで存在をすっかり忘れていた。そこで繰り広げられる会話はとても、なんというか愛おしくて、好きなこと、仕事のこと、家族のこと、ずっと悩んできたこと、誰にも打ち明けたことのない夢の話。とりとめのない雑談の中から派生する本心みたいなものに触れる瞬間が散りばめられていて、あの時間がほんとうに好きだったことを思い出した。

そういえば山奥で暮らしていた頃は、まわりに話し相手が少ない環境で始めた文字起こしの仕事にとても救われた。知らない人たちの会話をイヤホンで聞く日々。それが自分に向けられたものではなくても、誰かの実感の込もったことばに触れることでどれだけ癒されたか。本の中のことばにも、同じことが言えるかもしれない。

録音の中のわたしは滑らかに相槌を打ち、素直に感嘆し、たくさん笑って、うれしそうに本を勧めたりする。あの頃だって悩みはたくさんあったけど、カウンター越しの一対一の時間に救われながら生きていた。また形を変えて、ああいう時間を取り戻していけたらいい。そのためにはもうすこし、いまいる場所でも肩の力を抜けるように。


12月10日(木)くもり

休日出勤。遅めの昼ごはん、ホルンでカレーを食べた。積読にしていた『うたうおばけ』を読み始める。日常のちょっとしたシーン、人がさらりと言ったことば、そういうものを拾い上げて書く文章力がほんとうにすごいなぁ。続きが気になる。イ・ランの『アヒル命名会議』を買った。

今日は母の誕生日で、家族のライングループに「ケーキ作りに初挑戦」と書き込まれていたので、ともちゃん!と思って急いで帰宅すると、挑戦したのはなんと父だった。スポンジは市販品、生クリームを泡立ててイチゴを乗せたらしい。不味くなりようがないと思うが、父はドギマギしながら反応を見ている。平和。今日もたいちゃんはテーブルとわたしの隙間に入り込んで膝に座る。愛おしいぬくもり。


12月11日(金)くもり

休日。おきてよーおきてよーとたいちゃんが布団でぴょんぴょん跳ねるので、仕方なく起き上がる。
たいちゃん、トミカのパトカーを持って、うたってうたってとねだる。大好きな「はたらくくるま」の歌、単純なメロディに乗せていろんな車が紹介され続けるのだけど(はがきやおてがみあつめるゆうびんしゃ、ゆうびんしゃ!まちじゅうきれいにおそうじせいそうしゃ、せいそうしゃ!とか。今調べた)歌詞を知らないので即興で歌詞を考えて歌い続ける。だんだん大喜利みたいになってきて、たいちゃんが笑えば合格、無表情だとやり直し。笑ってくれたときの安堵感。

夕方部屋で過ごしているとチビふたりが乗り込んできた。電気を消して真っ暗にして、懐中電灯を振り回す。ディスコみたい。ベッドの上のステージでともちゃんが歌って踊り、たいちゃんはスタンドライトを手に持って時折「しゅうしゅうしゃ!(ゴミ収集車)」とか「うーかんかん!(消防車)」とか楽しそうに叫んでいた。最高すぎて動画を撮った。

夜は『まどをあける』の発行メンバーでオンライン忘年会、という名の打ち合わせ。なかっちゃんにはコロナ以降一度も会っていないし、あーちゃんについてはなんと今日が初対面だった。宮城と新潟と香川、こんな時勢でなかったとしてもなかなか会えない3人なので、オンラインという選択肢が生まれたことはうれしくもある。2号目は来年2月に発行予定です。


12月12日(土)くもり

休日。今朝はともちゃんも幼稚園が休みなので、寝起きの奇襲がふたり組になった。
どこからか来たクリスマスのチョコが、ツリーとか雪だるまとかの形をしていてとても可愛い。クリスマスかぁ。サンタさんに何かお願いしたの?と尋ねると、たいちゃんからは「おおきいきゅうきゅうしゃ」と具体的な返事。去年姉がおもちゃの救急車をプレゼントしたのでそれのことかと思ったら「もっとおおきいの、ボタンがひかるの」とさらに具体的な回答。YouTubeで見た何かかもしれない。ともちゃんは、プリキュアのカードとライトが欲しいという。子どもへのクリスマスプレゼントなんて、数年前まではわたしの人生に無関係なことだと思っていた。未だに新鮮で、うれしい。

コロナ、かなり増えてきた。忘年会クラスターが話題になっていて落ち込む。またどんどん人と会えなくなっていくのか。胸がえぐられるような気持ちになる。

ゆり
宮城県で暮らしています。関東や四国での生活を経て帰郷しました。元書店員、いまは文化施設職員。