日曜はじまり日記|12月27日の週

12月27日(日)くもり

休日。「前に言ってた元気くん市場に行ってみたい」と母が言うので車を走らせる。年末だからかすごく混んでいた。正月用の玄関飾りと花を買う。
日中は思い立って大掃除と部屋の模様替えをした。作業のおともにモノノーク(ラジオ)を聞く。「こどもだったわたしは」のコーナーがとても良かった。

夕食後、ともちゃんがフラフープ(サンタからのプレゼント)で遊んでいるので便乗して挑戦。子供用は小さくて軽いのでうまく遠心力が働かず、腰をオーバーにまわしてどうにか回転を繋ぎとめる感じになる。その大袈裟な動きが不格好でやたら面白いらしく、わたしが回すたびに家族が爆笑の渦につつまれるので、うれしくて調子に乗って何度もやる。すでに筋肉痛の予感。


12月28日(月)くもり

年内最後の出勤日。いつもの月曜日より道も空いている。昨日のフラフープのせいで、お腹と背中がしっかり筋肉痛になった。

年内に終わらせたかった仕事を着々とこなし、だいぶ片付いた。家には仕事を持ち帰らない。資料もデスクの上に置いて帰る。職場以外では仕事をしない、そういう生活はいまだ少し新鮮で、そしてとてもいいなと思う。読みたい本がたくさんあるので、年末年始はスマホをあまり触らずに過ごしたい。
今日はふだんあまり話さない人からいろいろな話を聞かせてもらってうれしい日だった。きっかけがないだけで話し始めたら聞きたいことは山のようにあるのに、いつももったいないことをしている。

帰宅して、年内まで無料配信している映画『沈没家族』を見た。MONO NO AWAREの曲が全部良くて、あと映画を撮ってみたくなった。


12月29日(火)晴れ

今日から連休。遅くに起きて、昼ごはんにカップうどんを食べて、また昼寝。のんびりしすぎて夕方ちょっと焦り、なかっちゃんとあーちゃんと一緒に作ろうとしているフリーペーパーのデザインを考える。デザインの素養がないので毎度なかなか苦行で、でも完成すると嬉しいので頑張る。

今日は初めてたいちゃんを肩車した。非力な自分にはできないと思っていたけど、たいちゃんがちゃんとバランスを取ってくれるから案外大丈夫みたい。子どもを信頼しさえすれば何てことないことが、実はたくさんあるようだ。
ともちゃん、ゆびきりげんまんをするとき「嘘ついたら針千本目に打つぞ、指切った!」と言うので、毎度、こわっ!と笑ってしまう。


12月30日(水)雨のち雪

曇天。昨日の夜に仕込んだ甘酒が美味しくできていた。うれしい。鍋に入れて出窓に置いておき(外気で冷えるのでちょうどいい)、年末年始に少しずつ飲む。いただきもののりんごが大量にあるので、フランス発祥のガトーインビジブルというお菓子を焼いた。クリームチーズを入れた生地にスライスしたりんごを練り込んで焼くパウンドケーキのようなもの。味は美味しいけど、生地がやわやわで微妙な出来栄えに。いつも焼き魚を置いている長方形の和食器に乗せたら、なんかだし巻き卵みたいな見た目になった。

こたつでガトーインビジブルを食べながら、「ドキュメント72時間」の年末スペシャルを父と母と3人で見る。いい番組だなぁ。市井の人たちの人生の断片を垣間見て、泣いた。そうこうしていると、外から帰ってきたともちゃんにテレビを消されてしまい、もう何度見せられたかわからない子供発表会のDVDを一緒に見ることに。魔法使いサリーの曲に合わせて踊る幼稚園児たち。マハリークマハーリタヤンバラヤンヤンヤン!サリーちゃんならわたしも歌えるんだよ。DVDが終わったらこたつでお昼寝。起きたらいっぱい遊ぼうね、和室でフラフープの練習しよう、と耳元で囁かれ、そうだね、おやすみ、と言って目をつむった。ともちゃんは幼稚園が大好きで、踊るのも大好きで、いつもいろんなお友達の話をしてくれる。世界を心から信頼している。できるならずっとそうであって欲しいな。


12月31日(木)晴れ

夜のうちに降った雪が積もった。こたつに入っていると、たいちゃんが勝手に頭によじ登ってくるようになった。お、肩車ですか、はいはい、と足を掴んで立ち上がる。一度乗るとなかなか降りようとせず、わたしの頭上でたくわんを食べたりしてのびのび過ごしている2歳。平和です。
昼ごはんは毎年恒例になっている父の手打ちそば、夜ごはんは手巻き寿司。いつもは長野の実家に里帰りする姉一家が帰省しなかったため、今年の年末は総勢8人、ずっと賑やか。

元旦に備え、夜の間に雑煮用の引き菜を仕込んだ。細切りにした大根と人参を湯がき、一晩外に出しておく。一度凍らせることでシャキッとした食感になるという、たぶん東北ならではの伝統料理。
年越しかぁ。今年はいろいろあったような気もするし、何もなかったような気もする。もちろん社会的にはコロナという激震があったけど、個人の人生的には何というか、前にも後ろにも行かずに足踏みしている感じ。数年おきに生活が否応なく変化していた20代はとうに過ぎ、これからはもしかしたらずっとこんなふうなのかもしれない。何かを得るというよりは、不要なものを剥がしたり、過去に通り過ぎたものと出会い直すような変化。同じ場所で小さく足踏みをする日々にすこしずつ慣れていきたい。腰を据えるということはきっとこういうことなのだと思うから。

紅白を見ていて気づいたこと。最新のJ-POP、これ聞いたことある〜と思うのってだいたい、ブックオフの店内BGMで聞いたやつだ。


1月1日(金)雪

元旦。朝からずっと雪。家族揃って朝ごはんを食べる。雑煮、なます、黒豆、納豆餅、くるみ餅、きなこ餅、おしるこ、伊達巻き。岩手のおばあちゃんの家で食べていた餅御膳には、さらにエビ餅、生姜餅、磯部焼きなどがあったが、実際はこれくらいの品数がちょうどいい気がする。

両親の共通の友人が毎年送ってくる風変わりな年賀状代わりの通信をこっそり楽しみにしているのだけど(内容がすごい、すごいとしか言えない)、今年はなんと番外編?の小冊子が付いていて、開くと創作小説だった。これがまた何とも形容しがたい凄みがあり(怒りが静かに爆発してる感じ)、かつ不思議とするする読めてしまい、それなりにページ数があるのに読み飛ばさずに一気に読了した。義兄、わたし、姉と回し読みをしたのだけど、肝心の(作者の知人である)母はまったく読む気がないようで「それ何が書いてあるの? かいつまんで教えてよ」と言うばかりで開こうともしない。わたしからすれば赤の他人なので、明らかにただものじゃない、狂ってる(褒め言葉)彼の創作を楽しむ余裕があるけど、知り合いだと直視しにくい感じがあるのかもなぁ。どんな人なんだろう、興味はあるけど関わりたくはない、遠くから眺めていたい、そんな人。

夜、姉が友達に薦められたという『A GHOST STORY』という映画を観た。すっきりと理解はできなかったけど、いくつものシーンが印象に残る映画だった。今年から、観た映画と読んだ本をスマホのカレンダーに記録しようと思い立ち、最初のひとつめを書き込んだ。
家から一歩も出ない元旦が終わった。


1月2日(土)晴れ

日差しがさして、道路の雪が溶け始めた。ともちゃんが「お年玉でチョコみたいなお菓子を買いたい、ツルハに行く」と言うので、義兄、わたし、ともちゃんとたいちゃんで出かける。家から徒歩で行けるお店がツルハしかないので、子供にとって買い物といえばツルハなのだ。
ともちゃんはプリキュアのおもちゃがついたガム、たいちゃんはバイキンマンのおもちゃがついたラムネを買った。計600円。カゴに入れていいよと言ってもいやだと言い、ふたりとも箱をぎゅっとお腹に抱えてレジへ。握りしめていた1000円をともちゃんが差し出して、無事にお会計できた。
ふと、側から見ればわたしは母親なんだろうなと思った。

ゆり
宮城県で暮らしています。関東や四国での生活を経て帰郷しました。元書店員、いまは文化施設職員。