日曜はじまり日記|1月24日の週

1月24日(日)くもり

どんより曇天。テーブルに朝ごはんが置かれていてドキマギする。ごめん食べないです、と伝えると、ちょっとでもいいから食べな、と。優しさは本当に嬉しいしありがたい。だからそれを無下にするのがちくりと痛い。

『病と障害と、傍らにあった本』を読み始める。12人の当事者や介護者によるエッセイ集。最初の斎藤陽道さんでうっかり何度も泣きそうになった。私は本を読みながらよく泣きそうになる。でもそれは悲しいとか嬉しいとか感動したとかとはちょっと違っていて、実感の込もった嘘のない言葉に触れたときに反射的に起きる生理現象だ。琴線に触れる、みたいなことかもしれない。まだ読み始めたばかりだけど、とてもいい本だなぁ。

今日もよく働いた。いろんな入稿やら何やらが立て込んでいてずっと忙しい。帰宅して「まどをあける」の編集を、と思うものの余力がなくほとんど進まない。自分のエッセイは未だまったく手付かずで、そろそろとりかからないとまずい。あーちゃんが描き進めてくれる挿絵が良すぎて、疲れているけど元気出た。


1月25日(月)晴れ

晴れわたる青空を久しぶりに見た。


1月26日(火)くもり

同僚の家族が発熱してPCR検査を受けたらしい。それを知らずにランチに誘ってしまい、「実は家族が…それでも良ければ」と言われ、とっさに「わたしは大丈夫」と答えてしまった。食事中はひとことも喋らずに過ごしたのだけど、あぁ失敗したなと思った。きっと向こうもそう思っていたと思う。もしご家族が陽性だったら同僚は濃厚接触者になる。そうなったら、わたしとご飯を食べたことを周りから責められるかもしれない。いらない気を遣わせてしまい反省した。

たとえば「わたし感染してるかも」と言われた時に「じゃあ会うのはやめよう」とはなかなか言いづらい。でも今は言わないといけないんだなと学んだ。みんなこんな状況初めてだから、まだ振る舞い方がわからなくて、どの方面に気を遣うのが正解なのか迷ってしまう。それで咄嗟に即時的な平穏のための言葉を返してしまったりする。実際にその場に立たされて初めて思い至る配慮や振る舞いがある。結局ご家族は陰性だったらしく、胸を撫で下ろした。


1月27日(水)晴れ

夜の間に雨が降ったのか、地面が濡れていて、世界はパッと明るく晴れ渡っている。こんな気持ちのいい朝は久しぶりだ。

協会けんぽの「医療費のお知らせ」という書類が届いた。去年かかった病院の受診歴とともに健康保険料がだだだっと並んでいる。すごい、社会的に守られている…と感動を覚えた。


1月28日(木)くもりのち雪

仕事が忙しく、次から次にやることがある。疲れて帰宅するのは良いことだけど、家に着くともう何もできない。気力がない。
毎晩母と取り組んでいたYouTubeで踊る日課は、母が足首を痛めたことによりしばらく休んでいる。ひとりではやる気が出ず、結局続いていない。


1月29日(金)晴れのち雪

休日。朝5時に、古巣の元上司から着信があって目が覚めた。きっと誤作動だろうと思ってまた眠りに着いたら、案の定「ごめん間違った」とメール。その流れで軽く近況報告をする。新卒で入った会社は激務で、毎晩遅くまで働いていたおかげでいま思えばだいぶ濃い付き合いだった。「悩み事があったらいつでも聞いてやるから」と元上司。きっと悩み相談をすることはないだろうけど、そういう言葉はお守りのようだ。

たぶんもう連絡することはないであろう人たちの番号が、まだたくさんスマホに残っている。たまに誤作動で電話してしまう、ただそれだけの関係の人がいてくれることで、いつか救われる日がくるかもしれない。必然だけでは息が詰まるから、どこでどうつながるかわからない偶然の余白を無意識の中に残しておく。


1月30日(土)雪

休日。寒い。外は吹雪。
ともちゃんが夕食中にうろうろ歩いて落ち着かないので、「幼稚園でも先生から座りなさいって言われてるの?」と聞いたら「違うよ、幼稚園ではしょうがないから座って食べてるよ」というので笑ってしまった。そんなこと言われたら怒れなくて、そっか、すごいね、幼稚園でえらいね、とつい褒めてしまう。

夜、母が「踊るか!」と言い出した。足の痛みが引いたらしい。久しぶりにYouTubeを開くと、これまで踊っていたダンス(3分)をスローテンポで踊る15分の動画を見つけたので、挑戦してみることに。15分バージョンは運動した感がかなりあり、汗がじわり出る。これを続けられたら良いなぁ(自信はない)。

ゆり
宮城県で暮らしています。関東や四国での生活を経て帰郷しました。元書店員、いまは文化施設職員。